かずやま.com

CPA/VB/備忘録

【昔の話】監査が終わることと調書ができることの違い

このまえ前職時代の同期と、監査調書ってある程度の能力あれば同じものができあがるよね、でもそこに至る過程というか思考って全然違うよねてな話になった。 できた調書だけみても過程は見えてこないもんだから、なかなか比べるのは難しいんだけどそうだよな。

自分の話をすると、新人の頃はとにかく仕事が終わらないことには詰められるし、かたちだけでも調書整えないととおもって、調書を作る作業に没頭した。調書ができて一安心すると自分なりに気になったとことか、深く突っ込んだほうがよさそうなとことか、徐々に深堀りしていく、そんな手順で監査を遂行してたとおもう。要するに、調書ができてから監査がスタートするのだ。

徐々に余裕ができてくると、調書なんざあとでなんとでもなると思って、とりあえず危なそうなところを重点的に叩いて重要な虚偽表示がないことの心証を得る、そのうえで余った時間でレビュー通る程度の調書を仕上げる。さっきとは逆で監査が終わってから調書を作る。あるべき順番だとおもう。(ここでいってる監査は心証形成の意で、もちろん調書を作ることも大事な監査業務の一つです。)

そして2つの調書を比べてみても大した差はないという。しかし監査の質は大きく違うし、100回監査やったら前者のほうはどでかい事故を起こすとおもう。事故らなかったのはラッキーかまだ顕在化してないかのどっちかだ。もし顕在化したら後輩よろしく。笑

ちなみにこれをOJTでやろうとすると、大きく分けて、 ①後輩がクライアントにヒアリングしてるとこをよく観察する
②できた調書に対して質問しまくる の2パターンだとおもう。
なので可能な限り監査部屋でヒアリングするようにさせたし、できた調書に対してはレビューメモはもちろん会話しながらレビューするようにしていた。

話はもとに戻るが、監査はある意味自分との戦いだとおもう。レビューを通すための調書作りだけしてるんじゃそれは監査とはいえないし、何よりつまらないとおもう。自分はなんだかんだ監査好きだったんだけど、それは自分が納得するまで、心証を得るまでクライアントととことんやり合ったからだとおもう。

最後に、僕がクライアントに言われてうれしかった一言 "かずやまさんがあってるって言うなら大丈夫でしょ。監査してもらうまで大丈夫かなとおもってたけどよかったです。" 経理担当者と一緒に心証形成していく過程はなかなか楽しかったです。